小浜島のシュガーロード。両側にサトウキビ畑が広がるまっすぐに伸びた坂道で、この道を走行する軽トラックが2003年に発表された楽曲『軽トラックかりて』の源泉になっている。 ある時「ポっという感じだった」と、曲が産声を上げた瞬間を振り返る。歩きながらハミングするような、自然の流れで生まれたという。
風に喜ぶキビの花、踊る光の道……昔からある島の風景と、変わらない島の日常を、柔らかな目線で感受し、軽トラで島をドライブする男女の様子をユーモラスに、軽やかな曲調で描いている。
つちださんが、初めて小浜島を訪れたのは30歳の頃。ヤマハのポプコン九州大会に出場したことがきっかけで、ヤマハのプロデュサーから勧められ、リゾートホテルはいむるぶしで歌うことになった。九州と小浜島を4回往復した頃「八重山病※」を発症。(※本人の造語。後に表現はガイドブックなどに広まり一般化した)
1990年、小浜島に移住。当初は慣れない島言葉や風習に戸惑いながらも、次第に地域に溶け込み、その後、島の季節や風景、おじぃ、おばぁとの交流、朝の風景などを素材に曲づくりを行うようになった。
2014年には、平均年齢84歳の小浜島ばぁちゃん合唱団、通称「KBG84」をプロデュース、テイチクレコードからメジャーデビューを果たし、国内外のメディアから注目を集めた。16年にはシンガポールでの海外公演も実現した。
はいむるぶしロビーコンサートは35年間継続中。島外ツアーに出る日を除き、ほぼ毎日開催されている。
Words and Music by
つちだきくお
1957年生まれ。大分県杵築市出身。琉球放送「つちだきくおイノー通信」(7年間)、さんさんラジオ「つちだきくおのピケてるRADIO」(8年間)、竹富町観光大使(7年間)など小浜島を発信。近年から島の写真を撮りカレンダー制作を行っている。自身の全国ツアーは28年間継続中。これまでに個人レーベルのCD7枚、メジャーCD2枚を発売。
