八重山方言帳

砂糖天ぷら

#サタパンピン  #サーターアンダギー  #砂糖天ぷら  text & illustration: Yoshinori Otake 

 

 「サーターアンダギーって何?」十歳のときだったかな。

テレビのクイズ番組で、天然キャラで沖縄出身のタレントが「サーターアンダギー」と言って笑いを誘っているところを見て母に尋ねたのを覚えています。

僕の祖母は多良間島の出身で、宮古群島の方言ではそれを「サタパンピン」と呼んでいたそうです。ですが、幼少期台湾で暮らしていたことがある祖母は、宮古島の中学校に転校した際に「台湾帰り」と呼ばれていじめられた過去があるそうで、そのこともあってか宮古方言を使いたがらず、標準語で話す自分に誇りを持っています。ですから、僕たち兄弟は子供の頃から「サーターアンダギー」のことを「サタパンピン」の直訳で「砂糖天ぷら」と呼んでいました。 今日はその「砂糖天ぷら」のお話です。

「サーターアンダギー」についてバスガイドの中には「サーター(砂糖)」「アンダギー(ばあちゃんの手の油)」と説明して、「手作りで手の油が入ることで真心が込められる」なんてまとめ方をしている人に会ったことありますが、僕には「サーター(砂糖)」「アンダー(油)」「アギー(揚げ)」くっつけて「サーターアンダギー」になったという説明の方がしっくりきます。

「サタパンピン」も同じように「サタ(砂糖)」「パンピン(揚げ物)」(「はんぺん」の意味が変化したという説あり)という意味だそうです。では、八重山ではどのように呼ばれていたのでしょうか。石垣方言辞典で調べてみました。 

やっぱり、単語レベルだと八重山方言は宮古方言に似ていますね。「サッターハンビン」と言うそうです。宮古では「砂糖天ぷらは」「サタパンピン」として売られています。石垣ではどうでしょう。「サッターハンビン」なんて看板見たこともないですね。僕は聞いたこともなかったので、おそらく「サーターアンダギー」という呼び名に侵略されたんじゃないかな、と思っています。

と言うことで石垣の「サッターハンビンヤー(砂糖天ぷら屋)」の皆さん。今月から「サッターハンビン」と明記して石垣でこれを定着させていきませんか? という呼びかけをして今月は終わりといたします。

またね!

 

・大竹芳典

おおたけ・よしのり/1995年、石垣市生まれ。八重山高等学校を卒業し、石垣島イーグル観光にて就職。八重山のガイドを通して島人の宝に気づく。その後、沖縄国際大学にて琉球文化を学びながら、国語の教員免許を取得。現在は本島北部にて教員として活躍中。

  • 砂糖天ぷら

    砂糖天ぷら

    「サーターアンダギーって何?」十歳のときだったかな。 テレビのクイズ番組で、天然キャラで沖縄出身のタレントが「サーターアンダギー」と言って笑いを誘っているところを見て母に尋ねたのを覚えています。

    砂糖天ぷら

    「サーターアンダギーって何?」十歳のときだったかな。 テレビのクイズ番組で、天然キャラで沖縄出身のタレントが「サーターアンダギー」と言って笑いを誘っているところを見て母に尋ねたのを覚えています。

  • 振りカエル。 そして、かんガエル。

    振りカエル。 そして、かんガエル。

    自分の使う言葉が他の地域の人に通じなかった時、大体の人はそこで初めて「これは方言だったのか!」と気がつきます。僕は方言に関しては、気になったらネットではなく辞典で調べるタイプなのですが、僕らの使う言葉は伝統的な八重山方言と微妙に違っていたりします。もともと持っていた意味が狭くなっていたり、逆に広くなっていたり……。

    振りカエル。 そして、かんガエル。

    自分の使う言葉が他の地域の人に通じなかった時、大体の人はそこで初めて「これは方言だったのか!」と気がつきます。僕は方言に関しては、気になったらネットではなく辞典で調べるタイプなのですが、僕らの使う言葉は伝統的な八重山方言と微妙に違っていたりします。もともと持っていた意味が狭くなっていたり、逆に広くなっていたり……。

  • なかなか気づかん話

    なかなか気づかん話

    問題です! 「かぁね〜が無いなら海にがいくさ〜♪」、『オジー自慢のオリオンビール/BEGIN』のこの部分、共通語とは違う表現がありますが、どこでしょう?ちなみに、ここには、よく本土の人が沖縄方言を真似る時に使う、「〇〇さ〜」の文末表現もありますが、今回触れるはそこではありません。もう一箇所探してみてください。ヒントを出しますね。『国道508号線/BEGIN』の、「白いトラックにが積んでいこう〜♪」の部分。ここにも、先ほどと同じ八重山特有の表現が使われています。分かりましたか?

    なかなか気づかん話

    問題です! 「かぁね〜が無いなら海にがいくさ〜♪」、『オジー自慢のオリオンビール/BEGIN』のこの部分、共通語とは違う表現がありますが、どこでしょう?ちなみに、ここには、よく本土の人が沖縄方言を真似る時に使う、「〇〇さ〜」の文末表現もありますが、今回触れるはそこではありません。もう一箇所探してみてください。ヒントを出しますね。『国道508号線/BEGIN』の、「白いトラックにが積んでいこう〜♪」の部分。ここにも、先ほどと同じ八重山特有の表現が使われています。分かりましたか?

  • いいや、 あの人は「おじー」だろ

    いいや、 あの人は「おじー」だろ

    怖かった話をします。沖縄本島の友人の知り合いが営んでいる居酒屋に行ったときの話です。店主は四十代くらいで、初対面の僕にも料理や飲み物をサービスしてくれるとても優しい人でした。

    いいや、 あの人は「おじー」だろ

    怖かった話をします。沖縄本島の友人の知り合いが営んでいる居酒屋に行ったときの話です。店主は四十代くらいで、初対面の僕にも料理や飲み物をサービスしてくれるとても優しい人でした。

1 4