岩崎卓爾翁を訪ねて

特集／次呂久 真司

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明治四十三（一九一〇）年、石垣島では旱魃が続き、神司は雨乞いの儀式で卓爾翁を御嶽の木に縛りつけました。島の人々は「雨が降らないのは天文屋のせいだ」と決めつけましたが、卓爾翁は「一切、手を出してはいけない」と言い、無抵抗を貫きました。

驚くべきことに、卓爾翁は一九一〇年にガンジーよりも先に非暴力不服従を島人たちに示しました。彼はこの行動が有益であることを知っていました。後に、雨乞いの儀式を『ひるぎの一葉』で紹介し、自らも参加して唄い踊りました。

卓爾翁は八重山の人々に愛を持って伝え続けました。

「この島は、どこよりも立派で希望に満ちた島である」と。

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