八重山地方の情歌『とぅばらーま』の代表的な歌詞に「やま みりば やいま ゆ うむいいだし うみ みりば まりじぃま うむいいだし」というのがある。島を出た八重山出身者が、郷愁や望郷の心情を歌っている。
ミヤギマモルさん作『やいま』も同様である。「海を見れば故郷思い出し 山を見れば又故郷思い出す」と始まる。そして、こんな風に続く。「月の浜辺で泡盛飲みながら夜の明けるまで唄った島唄よ 故郷離れてから早12 年 変わるなよ その眺め 八重山の島々よ」二番の歌詞は、石垣島の病院で闘病中の父を案じ「情け深き父に元気でいるかなと 便り書いては出せずに読み返し 母のぬくもり思い出しながら」と、親不孝を嘆いている。
那覇に住んでいた30 歳頃の作で、サラリーマン生活の傍ら歌手への道を模索していた時期に作られた。曲作りの最中、冒頭の『とぅばらーま』に類似した言葉が、どこからと
もなくやって来た。「メロディーより先に歌詞が現れた」とミヤギさんは振り返る。この曲と、父親自作の詩『泡盛心中』に旋律を加え、2曲をセットにしてカセットテープに収
め、家族に託して病室の父親に「音楽の手紙」を届けた。
『やいま』は、その後、OAS航空会社のCMに採用されて注目を集め、沖縄県内で1万枚売れる大ヒット曲となった。曲にほれ込んだ千昌夫さんがレパートリーに取り入れた
ことで認知度がさらに全国的に広まった。
『やいま』は現代版『とぅばらーま』と呼びたい楽曲である。今年、ミヤギさんはデビュー30周年。「これまで発表して来た曲を中心に新たなアルバムを今年中に制作したい」と語った。
やいまタイムで歌が聞けますコチラ
ミヤギマモル
本名・宮城衛。1964 年、石垣島生まれ。歌手。NHKドラマ「ちゅらさん2」のテーマ曲「琉球ムーン」作曲、上沼恵美子「泡盛心中」、夏川りみ「愛のチカラ」など楽曲提供
多数。2019 年から石垣市美崎町で「島唄live bar やいま」を経営する傍ら島内外でライブ活動を行っている。
